ホタルの町復活。

病に負けず、今もホタル案内に精を出す。
横町から岩蔵まで伸びるホタルロードは、マイロード。

「春の川掃除の時期になると、この辺の人はだいでん、『あー、もうすぐ、またホタルが来るなー』と思うんですよ」と東島さんは言います。県内でも絶好のホタルスポットとしてすっかり定着した「小城のホタルロード」は、初夏を彩る風物詩となっています。30年以上前からホタルの保護活動を続けているホタル案内人の東島さんにお話を伺いました。

ホタルが減ってきたという危機感から保護活動を開始

 小城町横町地区、自宅の目の前に流れる祗園川。幼少の頃は、家のすぐそばにある千葉城址や須賀神社がある山城に昔から群生する木々に、数えきれないほどのホタルがとまりクリスマスツリーの光のように見えたそうです。川の草陰にもホタルが乱舞していました。昭和40年代に入ると、目に見えてホタルの数が減ってきました。このままでは小城のホタルがいなくなってしまう、と危惧した同地区の江里口巌さん(故人)が、「ホタルの保存会をつくって、ホタルを保護していくよ」と声をかけると、東島さんは二つ返事で立ち上げメンバーに加わり、思いを一つにした数名の有志と共に小城源氏ホタル保存会が発足し、保護活動をスタートしました。

保存会発足から30余年。佐賀を代表するホタルの鑑賞スポットに

 昭和59年、発起人の江里口さんを初代会長に、ホタルの幼虫の餌となるカワニナを放したり、生態を詳しく調べたりと熱のこもった活動を続けていると、祗園川に再びホタルが乱舞するようになりました。須賀神社付近では、ホタルのシーズンになると、多くの露店が立ち並び、初夏の小城のイベントとして県内外に広まっていきました。デリケートなホタルは、自身で光を放ちながらも光を嫌う性質があるそうで、次第に夜遅くまで灯りがともってにぎわう場所から、暗闇と茂みを求めて、川の上へ、上へと棲みかを移していきました。ホタルが成虫になってからの寿命はほんの1週間から10日。小城のホタルシーズンのスタートは大体5月の下旬ごろです。須賀神社・ほたるの郷付近から、水温や気温、湿度の変化に伴い、岩松小学校前の親水広場付近、さらに数日すると、長崎自動車道が走る道路の橋脚付近一帯で発生し、さらに数日すると、もっと川上の岩蔵地区にある、あぜ道沿いに流れる川周辺に群生します。
 ここ数年、シーズン中は、別名ホタル前線と呼ばれる横町~岩松~岩蔵のホタルロードで、保存会と小城の商工会青年部が協力し合って、交通整理をしたり、案内をしたりと支えています。

◾️須賀神社そばのポンプ小屋付近
◾️長崎自動車道下の橋脚付近

突然の脳出血。ホタルへの想いから必死にリハビリを重ね、再びホタル案内人に。

 保存会の四代目会長として、ホタルガイド、保全活動、他地区からの依頼を受けてホタルの保護指導と、精力的に動いている最中、平成23年、自宅で脳出血に見舞われました。「最初は脳、次に腕、足…とだんだん力が入らなくなっていくのがわかりました」。自身で説明し、救急車を呼ぶという冷静な対処で、早期治療ができたものの、左半身にマヒが残り、「車いす生活になるかも」と医者に宣告された東島さん。保存会としては、休止を余儀なくされました。
 それでも、気持ちの上で「負けるものか」と復帰の原動力になったのが、「ホタル」でした。「まだまだホタルのためにやることがたくさんある!とリハビリを一生懸命しましたよ」。倒れて1ケ月後には、自分の足で歩けるようになり、6年経った現在も、左腕と手指が動くようにリハビリを続けています。
 「小城にホタルを見に来られて、『感動した!』『見に来てよかった!』と喜んでもらうのが一番うれしい。これからも、元気に、ホタルを愛するメンバーと青年部の皆さんと一緒に、小城のホタルを盛り上げていきたい」と、笑顔を見せた東島さんの瞳には、ホタルの光が灯ったように見えました。

◾️祗園川の上流を見つめる東島さん。
◾️東島さんが住む地区の川掃除。


《観賞可能期間》
5月下旬〜6月上旬風のない蒸し暑い日の20時〜21時30分がよく飛び交います。ホタルは 園川の下流から上流へと少しずつ移動していきます。物産販売所「ほたるの郷」に設置された、ホタル案内板でホタル観賞スポットを確認ください。祗園川上流にある荒谷ダム(石体橋付近)では、6月上旬に入るとたくさんのホタルが観賞できます。
《祗園川ホタル駐車場案内問い合わせ》
小城市役所 商工観光課 (東館1階)  〒845-8511 佐賀県小城市三日月町長神田2312番地2
TEL0952-37-6129 FAX0952-37-6166  メール:shoukoukankou@city.ogi.lg.jp


東島毅さん
Profile
昭和20年小城生まれ。幼少の頃からホタルに親しみ、昭和59年の小城源氏ホタル保存会の初期メンバーに。会の地道な活動の甲斐あって、小城をホタルのスポットとして復活させた。また、他市や近隣の県にも、ホタルの保護、繁殖のアドバイスを惜しみなく行っている。飲食店経営、地元ケーブルテレビ局の経営を経て、現在は、小城観光ガイドの会副会長、小城のホタル案内人を務める。

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