Essay4 水辺の少年に帰ろう – オニバスの、花が咲くころ。

 環境省レッドデータ分類では絶滅危惧Ⅱ類種。佐賀県レッドデータ分類(2010年版)では絶滅危惧Ⅰ類種に指定されている。つまり佐賀県では絶滅の危惧がより大きいとみなされているようだ。
 佐賀に来て、佐賀城公園南堀に大きな葉が浮いているのを初めて見たときに、かすかな記憶にあったオニバスではないかとときめいた。写真に撮り調べてみるとまちがいなかった。八月以降の暑い日が続くころに花を咲かせるとある。花をぜひ見てみたいと思い、先ずはオニバスの生息する場所を調べて歩いた。思っていた以上に簡単にいろいろな場所で見つかった。例えば赤松小学校裏通りのクリーク、また本庄町に点在するクリークのたいていの場所で・・。身近な場所にこれほど多いとは思っていなかったので拍子抜けしたほどである。

 しかし見たいと憧れていた花にはなかなか出会えなかった。一年目の2014年夏はゼロ。二年目の夏に、ある場所で不完全開花の二本の花を見つけた時は嬉しかった。勇んでほかの場所も見て回ったが花には出会えなかった。三年目、同じ場所を注意してみていたがとうとう咲かなかった。それどころか前年はあったのに全くオニバスの葉が消えてしまった場所もある。同年九月中旬のある日、昼食帰りに南バイパス沿いのクリークに目を移すと一面にオニバスが繁茂し、しかもたくさんの花を咲かせているのを見つけた。昨年まではオニバスが目につかなかった場所である。翌日カメラを持参して撮影し、三回ほど日時を変えて記録した。掲載写真がその一つである。

クリーク一面を覆うオニバスの葉。毎年同じような状態とは限らない。
[2016年9月佐賀市本庄町で撮影]
鋭い蕾は、ハスの葉を突き破って開花することもあるようだ。
[2016年9月佐賀市本庄町で撮影]
葉の上で甲羅干しを楽しむミシシッピアカミミガメ。
[2017年9月赤松小裏のクリークにて]

 まるで怪獣が棘に覆われた鋭い口を開いて、中から炎を噴き出しているかのようにも見える。写真の状態以上に花が開くのか、気になってしばしば見に行ったのだが完全に開いた状態は目撃できなかった。資料では完全開花の写真をみていたので残念であった。翌年の夏から初秋にかけて同じ場所の様子を見に行ったが、花が咲きそうな気配は全くなかった。葉が消えたり、突然開花したりと不思議な植物である。

 オニバスの話を知人などにすると、子供が乗っても沈まないオオオニバスと勘違いされることが多いのだが、あれは南米産の植物であり佐賀に生息するオニバスとは異なる。葉の上に乗っても大丈夫なのは、せいぜい大きなミシシッピアカミミガメぐらいであろうか。

[文・写真]
川古川水童 (かわごがわすいどう)

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