相続は親の責任です。遺言書は準備できてますか?

代表司法書士 嘉村幸彦氏

 
遺言書を準備されている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?
平成20年 76,436件
平成29年 110,191件
日本公証人連合会のホームぺージから抜粋した公正証書遺言の作成数です。高齢化社会の進展とともに遺言への関心は高まり、遺言の作成もしやすいよう制度も変わってきています。一方で、うちは必要ないと思われている方もまだまだ多いようです。佐賀県内に住むSさんは曽祖父の財産の相続をめぐり、年以上にわたって親族が争ってきました。

Sさんの曽祖父には5人の子どもがいました。財産を巡る争いが起きたのは曽祖父が亡くなってだいぶたってからでした。曽祖父の一番下の娘、Sさんの大叔母にあたる方が遺産の相続に異議を唱え、さらに土地などを要求したことが始まりでした。曽祖父が遺言など明確な財産の分割を行っていなかったこともあり、問題の決着には10年以上がかかりました。それまで仲がよかった兄弟は付き合いが断絶、結局裁判所の調停までもつれ込みました。このように「子供たちは仲がよいから」などといって相続をあいまいにしトラブルとなり、司法書士の事務所に持ち込まれるケースは非常に多いそうです。リーガル綜合事務所の嘉村幸彦所長は、財産の分け方については早い段階で専門家に相談し、きちんとした手続きを行うようアドバイスします。

では、いざ遺言書を作るとなると面倒な手続きと思われがちですが、平成30年の法改正では自分で書く遺言(自筆遺言)について条件が緩和されています。これまでの自筆遺言は、全文を自筆で書く必要がありましたが、改正により、財産の一覧表については自筆でなくプリントアウトしたものでも可となりました。また自筆遺言を法務局で保管する制度も始まります(実施時期は2020年7月)。遺言が書き換えられたり、紛失、もしくは見つからなかったりなどの心配がなくなります。嘉村所長は「親は生前に子供達に対し、自分がいなくなった時の話をなかなかしないようです。しかしながら、相続は必ず発生します。遺言書の作成は、皆さんが思われているより簡単です。特に自筆遺言書は基本的には「日付」と「住所氏名」を書き、印鑑を押して自分の思いを残しておけば、相続のもめ事は少なくなります。相続は親の責任です。日頃から少しずつ、自分の「遺志」を書きためてはいかがでしょうか。」と話します。
 相続の問題は、遺言書が作成された時の判断能力、認知症だったのでは、などが争いとなることもあります。問題を先送りせずに、早めに専門家に相談しておくことが大切です。

関連記事

  1. 「家計の棚卸し」知っていますか?

  2. 三位一体の造園プロ集団 久保造園

  3. 介護の選択肢はありますか?元気なうちに相談を。

  4. 岡田三郎助アトリエ 2018.4.1 OPEN

  5. 料理長自慢の逸品を召し上がれ

  6. レンズを通して町や活動を記録。町を元気にすることで、自身も元気に!