棚田人音楽祭を立ち上げた三匹のおっさん

若木町川内の美しい景観を守りたい。棚田を残したい…。

武雄市若木町川内(カワチ)地区は、
樹齢3000年を超える川古の大楠から
八幡岳南麓方面にのぼったところにあります。
川内を舞台にこの秋初めて、川内棚田を知ってもらい
棚田オーナーを募集するために十月十四日に「棚田人音楽祭」
(タナディアンミュージックフェスティバル)が開催されました。
今回は、川内を盛り上げるために立ち上がった
「川内さくら会の三匹のおっさん」に会いに行きました。

 
武雄市若木町は伊万里、唐津、多久方面へ抜ける主要道路が走り、町へのアクセスは整備されています。今回、棚田人音楽祭の会場となった川内地区は、標高約250m前後の、八幡岳の南麓にあります。看板を頼りに車を走らせる道すがら、途中で写真を撮りたくなるようなポイントがいくつも!目の前に広がるのは収穫を終えた棚田と平野部につながる田畑の風景、そして視線を上げると八幡岳と青い空。ツーリングやドライブにももってこいです。
 「私たち三人は、生まれてからずっと川内で生きてきました。今では 戸のほとんどが兼業農家で先祖代々の田畑を守っていますが、高齢化が進み、別の人に稲作を頼んだりする農家もあり、川内の棚田保全、景観の維持は長年の悩みでした」と代表の向井さん。
 地区がこのまま衰退していくのは見ていられない、と 年前、地区に残る樹齢100年を超える「ジラカンス(白観巣)の桜」を一般公開できるように「さくら会」が中心になって整備し、今では佐賀県の隠れた桜スポットとして知られるようになりました。
 昨年、地区の天満宮の改修で屋根の張替えが行われた際、お披露目を兼ねて川内の棚田を できる方法はないか、策を講じていたところ、妙案が。
 「佐賀在住の地元出身の方に相談したところ、天満宮をステージに使って音楽祭を催し、棚田オーナーを募ってみよう、というアイデアをいただいたんです。棚田人音楽祭の会場に使った天満宮では、祇園祭りや浮立の奉納をしたり、野球をして遊んでたんですよ。お堂では、旅役者の芝居や演歌歌手になる前の村田英雄が浪曲を演ったこともありました。ステージとしては最適でしょう?」と中島さん。


笑顔いっぱいのおもてなし

コンサートが始まるのを楽しみに待つみなさん

 


多くの人で賑わいをみせる川内公民館

豊かな自然の中でいただく料理は格別の味

 

 天満宮の歴史は古く、鳥居を抜けた正面に菅原道真公を祀った本殿を奥に構えた、立派なお堂が建っています。音楽祭の提案を受け、早速向井さん、中島さん、藤川さんの「さくら会の三匹のおっさん」が主要メンバーになって動き出しました。支えるのは佐賀在住の提案者を中心に地元や福岡から集まった「七人の侍」たち。
 「川内にある天満宮を活かして棚田の保全・維持をするために音楽祭をして、地区外の方々に来てもらうってすごくいいアイデアだと思いました。出演バンドの手配や告知など、七人の侍の皆さんには全面的にバックアップしてもらって、当日を迎えることができました」。
 迎えた当日、お天気は快晴のイベント日和、コンディションは万全でした。そして、肝心の人は…? 音楽祭開始からラストまで、およそ500人の来場で、音楽祭を締めくくることができたのでした。

「自分たちにできるだろうか、やってもどうせお客さんは来ないかも…と不安まじりで進めてきましたが、境内に多くの方々がお見えになって音楽を楽しんでいらっしゃる様子を見て、思い切ってやってよかったと思いました。今までこんなに川内に人が集まったのは初めてのことでした。さくら会の奥さんたちも楽しそうに準備を進めてくれたのもありがたかったです」。
 「川内をどげんかせんといかん」という思いで立ち上がった三匹のおっさん。七人の侍たちの心温まるサポートを受けながら、地区のみんなでつくり上げたという達成感とともに、棚田を守っていくという使命感もますます強くなりました。
 「今回、川内の未来を背負って立つ若い世代にもいろいろと手伝ってもらいました。これはあくまでもスタート地点、一回で終わらせず、若い世代に繋いでいきたいと思っています。そのためには健康でいなきゃいけないな、と張り合いもでてきますよ」とお三方の気合いも十分です。
 休耕田が増えないよう棚田オーナー制、先人たちが築き上げた石垣の補修など、川内に残された課題は山積みです。三匹のおっさんに続くこれからを担うおっさん、おばさんは?

 


《Profile》
向井さん、藤川さん、中島さん、川内育ちのお三方とも武雄市若木町川内生まれ。生粋の川内っ子。向井さんと中島さんは佐賀、藤川さんは唐津にある職場に通った。現在は、農業に従事しながら地域活動に力を注いでいる。


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