九州から地域医療格差の根絶に挑む。

最新のデジタルテクノロジーが歯科医療の未来を拓く

医療現場でのデジタル化が急速に進むなか、地方でありながら都心部を圧倒する先進設備を導入し、デジタル医療の最前線で地域の患者さんに高品質な歯科治療を提供する「とがし歯科医院」。佐賀県・長崎県に4つのグループ医院を持つ、医療法人祐歯会理事長の富樫宏明さんにお話しを伺いました。

医療の地域格差を縮める最先端のデジタル技術

 歯科のみならず医療において最も重要なことは、科学に基づいて行われるということです。そのためには、診断から医療にいたるまで、「再現性」が必要です。つまり、科学的根拠に基づいた手順をふめば、新人がやっても名人と変わらぬ成果が出せるということです。近年医療分野にも急速にデジタルイノベーションが進んでいます。第四次産業革命ともいわれるデジタル技術の応用は、医療における「再現性」を支える強力なサポーターとなりつつあります。これにより、従来では困難であった診断や治療が可能になるだけではなく、従来は高度であった診断や治療が一般化し普及していくことになります。私がH13年にとがし歯科医院を鹿島市に開業したときには、レントゲンも全てフィルムでした。デジタルは口腔内の記録のためのカメラだけ。現在のとがし歯科医院では、局部から顎全体の撮影まで、全てデジタル化され、精度向上・低被爆が可能になりました。CTも用途に応じて口全体のものと顔全体のものを使い分けています。デジタル化されたレントゲン画像情報は、様々な利用が可能になります。代表的なものとしては、インプラント手術などに使われる手術用ガイドや骨モデルの製作でしょう。これにより、歯肉を大きく切らなくても、小さくて複雑な顎の骨の構造や血管・神経の位置を知ることができるようになり、より安全・安心な処置が行えるようになりました。つめものやかぶせ物といった一般的な歯科治療にもデジタル化は進んでいます。例えば、祐歯会のクリニックではセラミックの歯やインプラントの歯を作るときは、従来の「型取り」ではなく、口腔内スキャナーによる高速カメラの連続撮影が行われます。「型取り」では、寒天やシリコンを使うため、患者さんは口を開けたまま固まるまでの3分半動かずにいなければ精確な型は取れませんでした。しかし口腔内スキャナーによる撮影なら、途中で一旦休んでも問題ありません。体験した患者さんは「こんな時代が来るとは…」と、皆さん驚かれますね。一本のセラミックのスキャンなら、私なら上下咬み合わせまで採るのに2分程で終わります。(銀歯と入れ歯は、この技術は使えません)口腔内スキャナーは他にも、歯並びでの矯正治療にも使われています。軽度のものであれば、現代はアライナーと呼ばれる透明なマウスピースによって歯並びの矯正が可能です。そのアライナーは口腔内スキャナーの画像情報からビックデータを利用したAIの提案を受けて3Dプリンターで作られます。

歯を削った後、型取りのために3Dカメラで口の中を撮影。時間は2~3分で、数回にわけて撮影できるため、口を開け続けるのが苦手な方もストレスがない

リラックスして相談できるカウンセリングルーム

デジタル技術は医療サービスを効率化する

口腔内スキャナーから得たデジタル画像情報は、CAD/CAMと呼ばれるコンピューターやAIを使ったものづくり技術によって歯や模型、アライナーやガイド製作など多用途に使われます。まさに IOTです。用途に応じて、早く作ったり(最短で2・30分)、より精密に作ることも可能になります。実は歯科をはじめ医療は深刻な問題をかかえています。それは人材不足です。医療は医療法で国家資格を持った人が行うことになっていますが、日本中がかかえる労働人口の減少は、特に地方の医療現場にとっては大きな悩みとなっています。デジタルイノベーションは、この問題の突破口となるものと、私は確信しています。

患者さんに寄り添う歯科カウンセラーが常駐

歯科ができることが増えることで治療の選択肢も同時に増えることになります。私たち祐歯会のクリニックでは、患者さんが状況を理解したり意思決定をするのに寄り添うTC(トリートメントコーディネーター)という専任のスタッフを置くことで、患者さんが落ちついて理解できるように配慮しています。リラックスして話せるように、個室のカウンセリングルームも用意しています。歯科におけるデジタル技術の普及は、これからさらに加速していくでしょう。この潮流が、患者さん医療者双方にとって喜ばしいものになることは間違いないと確信しています。

《Profile》医療法人祐歯会 理事長 歯学博士 富樫 宏明

昭和46年生まれ。長崎大学歯学部卒業。歯学博士。平成13年に佐賀県鹿島市に「とがし歯科医院」を開設。佐賀・長崎の4つの歯科医院から成る広域医療法人祐歯会理事長を務めている。日本国内では屈指のデンタル技術を早くから歯科医療に導入し、その普及に努めている。インプラント治療では5000本を超える症例を持つ。ICOI国際インプラント学会指導医。

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